「この家の99%は、私の希望でできています」。
そう語る夫人が、家づくりで何よりも重視したのが、
日々の暮らしをスムーズにする「動線」と「収納」だった。
以前の住まいで、夫人が最もストレスを感じていたのが、
リビングに溜まっていく洗濯物の山。
「乾いた服をしまう場所が遠く、ついリビングに置きっぱなしにしてしまう…」。
そんな過去の経験から、新しい住まいでは、洗濯動線を徹底的に改革した。
その答えが、ランドリールームのすぐ隣にファミリークローゼットを配置するプラン。
乾いた服を、たたんで、即しまう。
この最短動線が、「洗濯物をリビングに持ち込む」という長年の習慣をなくし、
日々の片付けの負担を劇的に軽減してくれた。
収納計画も万全だ。階段下などのデッドスペースを余すことなく活用し、
散らかりがちなお子さんのおもちゃや絵本も、扉の向こうにすっきりと「隠せる収納」を確保。
必要な物を、必要な場所にしまう。
そのシンプルなルールが、生活感のない洗練された空間を保つ秘訣だ。
LDKの主役として輝くのは、グラフテクトのアイランドキッチン。
家族が自然と集まる回遊性の高さや、手入れのしやすさも魅力。
「このキッチンで、料理がさらに好きになりました。友人にも褒められる自慢の場所です」。
夫人のその笑顔が、この家の心地よさを何よりも物語っている。
キッチンと食卓を一直線に
LDKの主役は、存在感のあるグラフテクトのアイランドキッチン。ダイニングテーブルと横並びにすることで、配膳や片付けが驚くほどスムーズな動線を実現した。その奥に続く造作カウンターは、お子さんのための学習スペース。「ここは多少汚してもいいからね」と、宿題やお絵描きに気兼ねなく集中できる、特別な場所だ
生活感は扉の向こうへ
階段下のスペースを無駄なく活用し、本棚と大容量のリビング収納を造作。おもちゃや掃除道具など、つい散らかりがちなモノたちの指定席だ。天井までめいっぱい使った収納は、3枚の引き戸をさっと閉めるだけで、生活感を一瞬で隠せるのが見事。急な来客時にも慌てずにすむ
汚れが目立たない、という正義
キッチンの壁には、ワークトップの色に合わせたグレーのキッチンパネルを採用。スタイリッシュなだけでなく、汚れが目立ちにくいという実用的なメリットも。木目調の吊り戸棚が、無機質になりがちな空間に温かみを添えている。アーチの奥のパントリーには、冷蔵庫と予備の冷凍庫まで置けるというから、その収納力は驚き
階段がオブジェになる
リビングに入って、まず目に飛び込んでくるのが、ひな壇状のリビング階段。空間をゆるやかに仕切りながら、オブジェのような存在感を放つ。黒いアイアンの手すりが、空間全体をきりりと引き締め、洗練された印象に。窓からの光が落とす、柔らかな陰影も美しい
こだわりを持ち込んで
玄関脇にはコンパクトな手洗いコーナーを造作。下の棚は、市販のカゴがシンデレラフィットするよう計算された、こだわりの設計だ。壁のモザイクタイル調クロスや、夫人が持ち込んだというお気に入りの照明が空間を華やかに彩る
洗濯のすべてが、ここで完結
洗濯から乾燥、そしてアイロンがけまで、すべてがここで完結するランドリールーム。天井の室内物干しを使えば、雨の日の洗濯も問題ない。小さな窓から差し込む光と爽やかな風が、湿気がこもりがちな空間を、いつでも快適に保ってくれる
乾いたら、隣にしまう
家族全員の衣類をまとめて収納する、ウォークスルーのファミリークローゼット。隣のランドリールームで乾かした洗濯物を、すぐにしまえるのが最大の魅力だ。廊下からランドリールーム、そしてクローゼットへと、ぐるりと回遊できる間取りが、洗濯という家事を驚くほどスムーズにしてくれる
陰影を楽しむトイレ
落ち着いたトーンでまとめた、シックなトイレ。質感豊かなグレーの壁紙に、ペンダントライトの光が落とす柔らかな陰影が美しい。予備のトイレットペーパーを隠せる棚も造作し、機能性と美観を両立。生活感を感じさせない、まるでホテルのような空間だ
“いってきます”が、スムーズに
L字型の広々とした玄関は、家族みんなが同時に靴を履ける、ゆとりの設計。忙しい朝の「いってきます」が大渋滞、なんてこともない。壁に縦に並べた3つのニッチは、思い出の品を飾る小さなギャラリー。廊下には手洗いコーナーもあり、リビングに入る前の手洗い習慣が自然と身につく