Kさん宅は古くなった家の建て替えで、土地は川沿いの変形・旗竿地。以前の家は暗く使いにくかったため、明るいリビングや豊富な収納、客間、子ども部屋などを、正方形でない土地にどのように配置するかが建築士の腕の見せどころだった。担当したのは同社の水澤さんと山村さん。まずは吹き抜けでなく折り上げ天井にする提案で、リビングの開放感を叶えつつ2階の居室面積を確保。客間は独立させずにリビングの一角の小上がりとすることで、広いリビングと、客間以外にも使えるスペースを同時に実現。また隣家に面した側にはハイサイドライトを、川に面した側には大きな窓をというように効率よく窓を配置し、周囲の緑を採り込む明るくのびやかなLDKが完成した。キッチンは「バーカウンター風にしたい」という夫人の要望に合わせて背面の壁に棚を設け、ビールサーバーも置けるようカップボードの高さに合わせたカウンターも造作。「休日には誰かしらが遊びに来て、ホームパーティーや家飲みを楽しんでいます。訪れる人みんながリビングを見て『わぁ!』と驚くのが嬉しいですね」と夫人。「古家の解体から完成までは結構長くかかったのですが、タインさんが自社の仮住まいをリーズナブルに用意してくれたので、本当に助かりました。これも決め手の一つでしたね」と語ってくれた。
広いリビングでは愛猫ものびのび。大きな掃き出し窓からはフラットにつながるウッドデッキに出られるので、緑景を眺めながらのBBQも気軽に楽しめる
夫人が建築士にスケッチで希望を伝えたこだわりのバーカウンター風キッチンは、週末は友人たちの集いの場に。壁に棚が設けられるよう、窓は高い位置に配置して外からの視線もブロック。友人たちがボトルをキープできる棚や、ビールサーバーが置けるカウンターも造作し、遊ぶ心もたっぷり
「1階に客間としても使える洋室がほしい」という希望に、建築士は「お客様はたまにしか泊まらないので、個室でなくてもよいのでは」と、リビングの中に小上がりスペースを提案。ふだんはLDKと一体にして多目的に使うことができ、来客の宿泊時にはロールスクリーンを下ろして仕切れるようになっている
見せ梁と重厚感のある柱が印象的なLDK。変形の土地形状を活かした“正方形でない”LDKならではの、様々な角度から巧みに光を採り入れるプランが豊かな住空間をつくっている。川に面した大きな窓で、美しい緑景もリビングの一部に
川沿いの変形・旗竿地に、光を採り込む明るい住まいが巧みにプランニングされたKさん宅。緑の景色やせせらぎに癒される、アウトドアリビングのようなウッドデッキも設けられている
キッチン奥の、可愛らしい家型アーチ壁の向こうは大容量のパントリー。食品や日用品をストックできるほか、愛猫の食事スペースとしても活躍。入口に扉がなく、使いやすいこともポイントだ
夫人が「お店をイメージした」という、個性的なクロスを使ったトイレと、使いやすい手洗いスペースはゲストにも好評。手洗いスペースはしっかりと手洗いができるよう、シンプルな空間に。浴室や洗面室などの水まわりは2階に配置し、洗濯物が干しやすい家事ラク動線も確保されている
ゆったりと広い玄関。家型アーチの奥は、靴以外のものも収納できる大型シューズインクロークになっているので、玄関スペースをいつもスッキリと保つことができる