建築実例

未来の家族も見据えた、ユニバーサルデザインの家

Mさん邸のコンセプトは「家族の変化にも柔軟に対応できる家」。仮にどちらかの両親と同居することになっても、全員がストレスなく暮らせるプランを希望された。発案者は現役看護師の夫人。たびたびの訪問看護を経て「もっと〇〇な家だったら、高齢者も介護する家族も暮らしやすいのに・・・」という経験や知恵を新居に反映したという。アイデアは多岐にわたるが、例えばリビングわきに配置した3.7畳のスペース。LDKと一体になっているが、ゆくゆくは仕切って親御さんの個室にすることも可能だ。現在はお子さんのお昼寝スペースとして、夫人はキッチンで作業をしながらその様子を見守っているという。車椅子でも出入りできる広めの玄関や、バスルーム・トイレなどの水まわり。引き戸を選んでいるのもポイントだ。小さな子どもから高齢者まで、すべての世代に優しいプラン。加えてスタイリッシュ、シンプルモダンなデザイン住宅なのである。「親たちはみんな元気なので、このまま同居しない未来もあり得ます。けれども親世代に優しいプランは、実は子育て家族にも優しくて。デザインも好きにさせてもらって大満足です」と話す。
家族構成 夫婦+子ども1人
所在地 東京都小金井市
本体価格 2864万円
敷地面積 125.88m2(38.0坪)
延床面積 99.83m2(30.1坪)
竣工年月 2021年12月

担当
水澤 恭輔

担当
上野 紫音

凸凹でメリハリを
グレーのモザイクタイルが高級感をあたえるファサード。玄関がある北側面にバルコニーを配置し、凸凹のメリハリをつけている。FIX窓によって、室内のスケルトン階段が絵のように切り取られて見える
隣人の視線をかわす
これから隣に家が建つので、ブラインドを閉めても高窓から光を取り込めるように。正面のリビング収納には細々したものをしまえるだけでなく、扉の下を少し空けて、ロボット掃除機の基地としても使っている
キッチンもインテリアのひとつ
インテリアのようなクリナップのキッチン。グレーの折下げ天井を取り入れて、奥のリビングとやさしくゾーニングしている
「どこの階段?」と友人は興味津々
LDKは吹き抜けの開放感によって実際よりも広々。プライバシーと明るさに考慮して、曇りガラスと透明のガラスを使い分けている。存在感抜群のスケルトン階段はオーダーメイド。手すりは製作、踏板はライトグレーに塗ったそう
アーバンモダン
モノトーンでまとめたLDK。21畳の広さと開放感でのびのびと過ごせる。壁掛けのテレビは夫人の希望。背面に張ったエコカラットは、デザイン性を高めつつ調湿効果にも貢献している。空間に合わせた白いフローリングは、夫人の好みに合わせてデザイナーの上野さんが取り寄せたもの
将来を見据えたマルチユース
ルーバーの奥は3.7畳の空間。いずれ親御さんの居住空間としても使えるように、あらかじめテレビの配線も仕込んでいる。現在はお子さんのおもちゃ置き場とお昼寝スペース。正面のキッチンから常に様子を見守ることができて安心だ。向かって左側は建築士の水澤さんが提案したワークスペース。いずれパソコンを設置予定だとか
リビング続きのバスルーム
洗面脱衣室はゆったりと確保。お子さんをおふろに入れて身体を拭く時にも便利な広さだ。出入りしやすい引き戸とたっぷりの収納にも注目
新しい小屋裏収納のカタチ
理想の外観デザインに差支えるため、大きな小屋裏収納は不可能。けれどもう少し収納が欲しいと相談したMさん。すると水澤さんは天井スペースをギリギリまで使った小屋裏を提案してくれた。ルーバーで蓋をする何とも斬新なプランだ
赤ちゃんにも高齢者にも、やさしく
車椅子が入ることができ、またベビーカーも2台は置ける玄関スペース。大容量のSICも完備した
みんなで使うクローゼット
寝室内に配置したファミリークローゼットは、夫婦の衣類を一か所にまとめて収納できる。天井いっぱいまでスペースを無駄なく活用した
トイレもモダンに
内装と同様、モダンな雰囲気でまとめたトイレ。グレーのクロスがおしゃれ。こちらも引き戸&出入り口の幅を広めにして、車椅子でも使いやすいように
スリッパも美しく魅せる
玄関には壁付のスリッパニッチを造作。つねに床がすっきりと保たれます。

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