建築実例

光をデザインした土間の家

「私たちが希望していた“土間のある家”というイメージを理解してくれたのが、TAINN DESIGN 一級建築士事務所さんでした。いわゆる靴を脱ぐ玄関スペースをなくして、玄関ドアからそのまま土間が続き、家の中へ繋がるという斬新な提案がとても良かったんです」とAさん。

玄関ドアを開けるとどこか懐かしい土間空間が現れ、足を踏み入れると、頭上に広がる開放的な吹き抜けの大空間が目に飛び込んでくる。この光景を前に、この家が敷地・延床面積ともに約23坪だと想像できる人は、ほとんどいないだろう。土間に加えて夫妻がこだわったのは、収納も含めてできるだけ扉をなくして空間を繋げること。

リビングの棚やダイニングテーブル一体型のキッチン、洗面化粧台も全て扉のない造作のため、視界が広がり、とても伸びやかだ。また無垢の木にもこだわっており、節目が味わい深い無垢の床が、スタイリッシュな空間に優しい温もりを添えている。将来は猫を飼うのが夢、というAさん。実は家中に、猫が遊べる工夫もされている。「猫が吹き抜けで日向ぼっこをしたり、土間で涼んだりする姿を想像しています。早く夢を叶えたいですね」と話す。

家族構成 夫婦+子ども1人
価格帯 2000万円
所在地 練馬区石神井台
延床面積 77.11㎡(23.33坪)
敷地面積 77.34㎡(23.40坪)
竣工年月 2016年

担当
中山 毅

光と風が十字に抜ける空間
玄関ドアから家の奥まで続く土間空間。窓側にはベンチも配されており、家族や仲間でストーブを囲んだり、Aさんの趣味のロードバイクを整備したりと、多彩に使える自由空間だ。「玄関入って扉を開けてリビングへ、また扉を開けてキッチンへ、のような間取りは嫌だった」というAさんの言葉通り、1階は全て仕切りのない大空間となっている
「つくる」も「食べる」もみんなで一緒に
土間からキッチンを見る。木の美しさが堪能できるキッチンは、夫人のこだわりに応えたオリジナル造作で、ダイニングテーブルと一体になっているから配膳や片付けもしやすい家事ラク動線が実現。料理をしながら家族との会話も弾みそうだ
らくがきしても怒られない壁
土間と仕切りなく、一体空間となったLDK。窓を開けると、そのままウッドデッキにも出られるようになっている。一面に黒板塗装がされた壁には、同社にイメージを伝えてTVボードと棚を造作してもらい、TVや本、DVDなどが置けるように
玄関はいらない
玄関ドアを開けると、家の奥まで続く土間空間が目の前に現れる。「どこで靴を脱いだらいいの?」と、訪れる友人たちがみな驚くという、Aさん自慢の空間だ。奥には明るい吹き抜けやスケルトン階段も見え、ワクワク感を高めてくれる
好きな場所に腰かける
無垢の木がふんだんに使われ、写真からも木の香りが漂ってきそうな心地よい空間が広がるLDK。土間のベンチに加えてTVボードの下部もベンチとして使うことができるので、ホームパーティーなどで大勢の友人が集まった時にも便利だ。表しの梁も存在感たっぷり
ギャップのある家
都市の景観に馴染む、シンプルでスタイリッシュな外観。外からの視線を遮る壁の向こうはウッドデッキで、プライバシーを守りながらアウトドアリビングとして楽しめるようになっている。土地・建物とも約23坪とは思えないゆったり感に、同社の設計力が光る
光の階段
開放感たっぷりの大きな吹き抜けからは、スタイリッシュなスケルトン階段を通して明るい光が降り注ぐ。吹き抜けはグルニエにもつながっており、天井高も圧巻。「将来は猫を飼いたい」というAさん。階段の踊り場には、猫のためのキャットタワーを置く予定だ
シンプル イズ ベスト
スクエアなボウルを置いた洗面化粧台も造作で、不要な装飾を排除したシンプルで清潔感溢れるつくり。下部収納はやはり扉のないオープンスタイルに。さりげなく使われたモザイクタイルが、ナチュラルな雰囲気を醸し出す
趣味がはかどる場所
スクエアなボウルを置いた洗面化粧台も造作で、不要な装飾を排除したシンプルで清潔感溢れるつくり。下部収納はやはり扉のないオープンスタイルに。さりげなく使われたモザイクタイルが、ナチュラルな雰囲気を醸し出す
外の隠れ家
ソトとナカのあいだに、かわいいテラスを配置。通りからの視線を遮る目隠しの役割でもある

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