建築実例

アートに包まれて暮らす

38年前に建てられた家に住んでいたCさん家族。

部屋数は足りていたが、Cさんの多彩な趣味のアイテムをしまえる場所はなかったそう。

 

「少しずつ集めた美術品や、車、サーフボード、ゴルフ道具など・・・

広いスペースが必要なものばかり。家には到底入りきらず、近くの倉庫を借りていました。

月々の賃料もばかにならないし、何より好きな物は手元に置きたい。

それらをきれいに保管できる場所が欲しかったんです」と話す。

 

そんなCさんの想いに応えるのが、住まいの顔でもあるビルトインガレージ。

天候から愛車を守るだけでなく、防犯面でも安心。

愛車だけでなく、クロスバイクや大型フィギュアなど、

お気に入りをディスプレイしながら収納できる、まさに“見せる趣味部屋”だ。

 

また、これまで倉庫にしまい込んでいた絵画や美術品の数々も、

この家でようやく日の目を見ることに。

ギャラリーのような玄関から始まり、LDK、個室、廊下やトイレに至るまで、

家じゅうのあらゆる場所にアートが点在。

 

心地よい緊張感と、好きなものに囲まれるワクワク感。

美術館さながらの、唯一無二の住まいが完成した。

家族構成 夫婦+子ども2人
所在地 東京都小平市
敷地面積 135.65㎡(41.0坪)
延床面積 106.35㎡(32.1坪)
竣工年月 2023年11月

担当
三浦 さつき

夢のビルトインガレージ
外観のデザインは、親会社である誠賀建設のモデルハウスがベース。耐久性の高いサイディングを主体としながら、ファサードの一部に本物のタイルをあしらい、上質な雰囲気を加えた。ビルトインガレージに加え、庭にも2台分の駐車スペースがあり、車で訪れるゲストも安心だ
シンメトリーの美学
テレビ周りの壁は、建築士・三浦さんのアイデアが光るディスプレイスペース。背面の化粧ボードによって、テレビさえもアートの一部のように。両隣の飾り棚は、シンメトリー。「対の作品を飾っています。次はどんな面白い焼き物を置こうかな」と、Cさんの楽しみは尽きない
ヘリンボーンのぬくもり
LDKの印象を決定づける、ヘリンボーン張りのフローリング。これは三浦さんの提案だ。深みのある木の色と、壁の白、そして階段の黒。美しいコントラストが、空間全体にリズムと上質感を与えている
わが家は美術館
玄関に一歩足を踏み入れると、そこはまるで美術館の回廊のよう。壁に飾られたインパクトのあるアート作品を、レトロなガラスブロック越しの光が優しく照らす。生活感の出やすい靴は、左手の吊り収納へ。アートを存分に楽しむための、計算された空間だ
好きを床で語る
Cさんが最もこだわった、ビルトインガレージ。愛車の故郷である、ドイツ国旗カラーのゴムチップを床に敷き詰めたのは、遊び心あふれる特別なオーダーだ。サーフボードにゴルフバッグ、フィギュアまで。ここはCさんの好きだけを詰め込んだ、大人の宝箱
光のラインが、ディナーを照らす
ダイニングテーブルの真上には、ライン状の間接照明を埋め込み、レストランのような特別な空間を演出。その一方で、すぐ左手のリビング収納には、こまごまとした生活用品をすっきりとしまうことができる。非日常の雰囲気と、日常の暮らしやすさを両立させた設計だ
ぜんぶ隠せる、が気持ちいい
夫人が選んだのは、LIXILのシステムキッチン。モダンで美しいデザインはもちろん、生活感の出るものをすべて扉の向こうに隠せる、圧倒的な収納力がお気に入りの理由だ。奥には食材をたっぷりストックできるパントリーも備え、いつでも美しいキッチンを保てる
愛車を眺めて暮らす
ガレージと玄関アプローチは、屋根の下でダイレクトにつながる。雨の日でも、濡れることなく家と車を行き来できるのが嬉しい。ガラスサッシを全開にすれば、愛車を眺められる広々としたパーティースペースに早変わり。多目的に使えるのが、このガレージのもうひとつの魅力だ
座ればプライベート空間
心地よい風が通り抜けるウッドデッキには、掘りごたつ式のテーブルを。足を伸ばしてゆったりと寛げる、家族のお気に入りの場所だ。プライバシーを守るための目隠し壁は、座った時にちょうど視線が隠れる高さに設定。圧迫感なく、空だけを眺められる、絶妙な設計
太陽の光で目覚める
ウッドデッキに面したお子さんの個室は、太陽の光がたっぷりと入る明るい空間。シックなブラウンのアクセントクロスは、ご本人が選んだものだそう。壁に飾られた愛車の写真からも、CさんのDNAをしっかりと受け継いでいる様子がうかがえる
どこまでもアートと暮らす
ダークな木目調のアクセントウォールを組み合わせた、個性的なトイレ。落ち着いた空間だからこそ、壁に飾ったポップなアートがよく映える。家中でアートを楽しむCさん邸のコンセプトは、こんなプライベートな空間にまで貫かれている
アートと眠る贅沢
Cさんの個室は、華美な装飾を排した、シンプルで落ち着きのある空間。だからこそ、壁に掛けられたお気に入りのアートや、丁寧に育てられた植物の存在感が際立つ
ガレージドアも顔になる
高級感あふれる木目調のガレージシャッターは、実は丈夫なアルミ製。開閉スピードが速く、日々の出し入れもスムーズでストレスフリー。外観のアクセントとしても、抜群の存在感を放っている
「いってきます」の最終チェックポイント
廊下の壁に設けた、鍵や眼鏡のためのニッチ。これはCさんのアイデアだ。出かける時に必ず通るこの場所に小物たちの指定席をつくることで、「あれ、どこに置いたかな?」がなくなる。忘れ物防止にも一役買う、実用的な工夫である

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