建築実例

空まで楽しむ、コンパクトなガレージハウス

一軒家で生まれ育ったMさんにとって、マイホーム=一軒家。

当初は建売住宅も見に行ったが、現在の土地との出会いもあり、

ごく自然に注文住宅を選ばれた。

 

選ばれた土地は、職場へのアクセスが便利な22.5坪の敷地。

決して広くはないけれど「駐車スペース、3つの個室、収納もできるだけたっぷりと・・・」と

希望はたくさんあったそう。

 

限られたサイズという点も踏まえ、建築士の鶴田さんが提案したのは、

空間をより有効活用できる「準耐火構造」の住まい。

このプランであれば、通常より延床面積を10%も広く確保できるという。

 

「私たちのリクエストをそのまま形にするんじゃなくて、

“どうしたらもっと良くなるか?”を真剣に考えてくれたんだと思います。

プランには、私たちが諦めていた広々バルコニーも含まれていたんです」とMさん。

リビングからフラットにつながるバルコニーは、大人が5人いてものびのび過ごせる広さ。

さっそく親せきや友人たちを呼んで、BBQを楽しんだそうだ。

 

収納も、想像以上の仕上がりに。

以前は玄関に積み上がっていた荷物たちが、今ではすっきりと片付き、それでもまだ余裕があるほど。

「モノは多いほうですが、今はとても気持ちよく暮らせています。

動線も考えられていて、掃除もラク。共働きの私たちには、とても助かっています」

夫人も笑顔で話してくれた。

家族構成 夫婦
所在地 東京都杉並区
本体価格 2400万円
敷地面積 74.48㎡(22.5坪)
延床面積 82.34㎡(24.9坪)
竣工年月 2022年3月

担当
鶴田 慎一郎

座ってすぐに、ひと仕事
ダイニングキッチンとリビングが、ほどよく独立したプラン。コンパクトな造作カウンターが意外と重宝しているそうだ。「メールを1本だけ送りたい時など、ダイニングの椅子を借りて手軽に作業できます。旧居では床に座っていたので、今はとても快適です」とMさん
ビルトインで、安心もすっきりも
準耐火構造を採用したMさん邸。スペースが限られる、都内の住宅地に嬉しい、ビルトインガレージのプランだ。ナチュラルな色やテイストは夫婦の好みで、木製ドアがアクセントになっている
すっきり暮らしてゆったり寛ぐ
「居住スペースが広いので、ゆったりと寛げるのが嬉しいです」とMさん。生活動線や家具の配置も考慮されたプランは、空間に無駄がないのが特長だ
ゆったりBBQ日和
「こんなに広くできるとは思いませんでした!」と夫婦が感動した広々バルコニー。周囲の視線もほぼ気にならず、アウトドアリビングとしてゆっくり寛ぐことができる
“しまいたい”が全部しまえる
キッチンの奥は夫人が希望したパントリー。既製の収納ボックスを使いながら上手に整理されている。その右隣は鶴田さんが提案した大型のクローゼット。中にコンセントも取り付けているので、ロボット掃除機や配線の多い機器類などもすっきりと収まる
隠した瞬間、キッチンが整う
クリナップのキッチンは夫人の希望で食洗機を追加。夫婦好みのナチュラルな色で、可愛らしいモザイクタイルをアクセントで取り入れている
抜けとつながりの、ちょうどいい場所
リビングの奥には階段を設け、その手前を引き戸で仕切れるようにプランニング。戸を閉めても圧迫感はなく、開ければ視線と気配がすっと抜けていく
しまうだけじゃ、もったいない
9畳のロフトは右手の小窓と正面バルコニー側からの光がやわらかく入り、ほどよい開放感。いまは収納スペースとして活躍しているが、その余白にはまだまだ可能性が詰まっていそう
隠されたポテンシャル
大きなゴルフバッグがすっきりと収まるシューズクローク。デザイン性と調湿効果を備えるエコカラットがポイントだ
しまう場所が、歩くそばに
1階の廊下に沿って作った大型クローゼット。階段下のデッドスペースを有効活用しており、生活用品のストック類やスーツケースがしまわれている
洗うたびに、暮らしがひとつ上がる
洗面&脱衣室は造作棚を取り入れて使いやすく。ガス衣類乾燥機は「タオルってこんなにふかふかになるの?」と普段の暮らしをワンランクアップさせてくれる
玄関とはひと味違う表情で
トイレはシンプルモダンな雰囲気に。玄関とは異なるデザインのエコカラットを使用している
抜け感がリズムをつくる
ところどころに設けた「空間の抜け」が、家全体に心地よいリズムをもたらしている。視線がふっと抜けることで、閉塞感のない広がりが生まれ、自然と呼吸が深くなるような感覚に。シンプルな設計の中に、静かに暮らしを整える仕掛けが散りばめられている

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