建築実例

心地よいシンプルに包まれるガレージハウス

購入したマンションに20年ほど住んでいたWさん家族。

それまで水まわりを中心に何度かリフォームを行ったが、

いずれやってくる次のリフォームを考え、

新築に住み替えた方がいいのではと考えるようになった。

 

マンションや建売をひと通りチェックするも、

収納量や駐車スペースなど理想的な物件に出会えず。

要望を満たすには注文住宅しかなかったという。

 

まず夫人がこだわったのは“ちょうどいい広さ”。

2人のお子さんは大きく、近い将来独立するかもしれない。

その時あまりに大きい家だと夫婦で持て余してしまうだろう。

「家の中が急に“ポカーン”となるのがイヤで。

それに毎日全部の床を手で雑巾がけするので、広すぎると大変なんです」と夫人。

 

一方Wさんのオーダーは、3mのサーフボードを置ける広々とした土間玄関。

以前はマンションの廊下に頑張って置いていたが、

玄関なら運び出すのがラクで出かける時もスムーズだ。

他にも思い描いていた収納量や、濡れずに室内と行き来できるガレージなど次々と理想を実現。

25.5坪のコンパクトな敷地に“ちょうどいい広さ”の住まいが完成した。

 

「家族はもう大人だから、それぞれが好きな場所で好きなことをしています。

ただ気配を感じられるし、同じ家で快適に過ごしていると思うとしみじみ幸せなんですよ」と夫人

家族構成 夫婦+子ども2人
所在地 東京都
本体価格帯 2500万円~2999万円
敷地面積 84.30m2(25.5坪)
延床面積 115.42m2(34.9坪)
竣工年月 2022年6月

担当
赤秀 莉菜

雨の日も濡れずに出入り
外観は黒や白にすることも考えたが、結局SNSで見つけた「モカ」に。塗り壁は建築士の中山さんのいち押しで、当初夫人は半信半疑だったそうだが、今では「ほんとに良かった」とのこと。スペースの関係上、ガレージに車体のすべてが収まるわけでないが、それでも助手席や運転席から濡れずに家と行き来できるように設計されている
気密性と明るさを両立
気密性を気にして小さめの窓を選ぶことが多かったが、「リビングだけは大きな窓がいいですよ」という中山さんの勧めでこの特別サイズに。暑さや寒さもさほど気にならず大正解だった
全ての窓にこだわる
リビングは無垢床を使用。葉の広がりが美しいドウダンツツジもよく映える。性能やセキュリティーも気にしながらすべての窓の種類や位置を決定。年じゅう快適な住空間で冬の結露も解消されたという
いちばん寛げる場所
新居のテーマカラーである白を選んだクリナップのキッチン。タイルフロアの床は掃除もしやすい。夫人が一番お気に入りの空間であり、休みの日にここで好きなパンを食べている時間が何より幸せだそう。奥のパントリーは食器類だけでなくウォーターサーバーもすっきり収まる広さだ
サーフボードもラクラクしまえる
L字型の土間玄関は3mのサーフボードがすっきり収まる。出し入れもスムーズなので、思い立ったらすぐに出かけられる。Wさんの自転車、親子のスケートボードなど大きめのアイテムも余裕で置くことができる
夫婦のマルチスペース
3階に設けた夫婦のフリースペース。Wさんは音楽を聴いたり、夫人は書き物や床にマットを広げてヨガをしたり…マルチに使っている。吹き抜け部分の仕切りを壁ではなくアイアンの手すりにすることで、階下のリビングに光が通り抜ける仕組み
寒い日の洗濯物干しも快適
以前のマンションは洗濯機とベランダが遠く、冬の洗濯物干しが辛かった。そのため洗面脱衣室に室内干しができるバーは絶対欲しかったそうだ。洗面台は既製品を使った半オーダーメイド。カウンターや可動棚は造作、ボウルの位置は微調整するなど、カスタムしながら予算におさめた
見せたいものをさりげなく
1階の突き当りは、Wさんのコレクションのギターが並ぶファミリークローゼット。好きなものが自然と目に入る「見せる収納」のアイデアだ
ディスプレイされた靴たち
造作のウォールラックにはWさんの靴がずらりと並ぶ。家に入ってすぐ目に留まる場所に「見えてもOK」のファミリークローゼットを設けている
あえての白が大正解
階段下を活かしたトイレは、真っ白な空間が新鮮。「アクセントクロスを使うことも考えましたが、いつか飽きてしまいそうだなと。衛生面も気になるので白で正解でした」(夫人)
当たり前の扉をなくしてみる
夫婦の寝室。扉をつけないクローゼットは開放感があり、実際よりも部屋が広く感じられる
有効ボードのデザインを活かす
好きな絵や写真を飾る有孔ボードは建築士の赤秀さんがオリジナルで作ったもの。

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