7年前に購入したマンションを手放し、注文住宅に住み替えたSさん家族。
きっかけの一つは収納問題だったという。
「以前のマンションは子ども部屋の半分が収納と化していました。
物を外に出すのは好きじゃないのですが、どうしても溢れてしまって・・・」と夫人。
遊びたい盛りのお子さんが2人いて、まだまだおもちゃは必要。
これから幼稚園や学校で描いた絵、作品など、大切に保管したい物はもっと増えていくだろう。
そこで担当建築士の上野さんと水澤さんが描いたのは、
デッドスペースを生まない収納に特化したプラン。
階段下をはじめ、どんなに小さな隙間もすべて活用。そのアイデアと細やかさに夫婦も大満足だ。
また収納の量だけでなく、日々の使いやすさに配慮しているのもポイント。
しまう物がちょうど収まるサイズに設定されていたり、
高いところや奥の物が取り出しやすい工夫があったり、そこかしこに小さな親切が感じられる。
「子どもの荷物だけじゃなく私の服も多いし、食品や洗剤などもストックしておきたいタイプ。
欲しい場所に欲しいだけの収納を作っていただいてとても助かっています」(夫人)。
卓越した収納プランと、それを上手に使いこなす家族。
小さなお子さんがいることを感じさせないほど、Sさん邸はいつも整然と保たれている。
太陽との相性で選ぶ
シックな黒に軒天と扉の木が映える外観デザイン。外壁を選ぶ際、異なる6種類のサンプルを取り寄せて、光が当たった時に一番キレイに見えるものを選んだ
日用品をすっきり隠す
リクシルのキッチンは背面側に収納が備わったタイプ。マスク、ハンカチなどの日用品をすっきりしまえる。背面収納とパントリーは壁や建具と馴染む白をチョイスした
おもちゃを散らかしてもいい場所
畳の小上がりは、子どもの遊び場やSさんのテレワークスペースとしてマルチに使える。小上がりの奥は階段下収納、手前側にも日用品をしまう収納を設けるなど、スペースを無駄なく活用している
1日中光を取り込むプラン
TVは壁掛けにしてすっきりさせ、背面にエコカラットでアクセントを加えた。北側の窓をほぼなくして東・南・西に窓を設置することで、一日中心地よい陽が差し込む
床下ももちろん活かす
小上がりスペースの床下は全て収納に。子どものおもちゃ、おむつなどをすっきりしまっておける。手前半分は引き出し式、奥半分は蓋を開けて出し入れする構造にして、毎日使いやすいようにしている
琉球畳で和モダン風に
小上がりの目隠し兼デザインのルーバーはあえて半分の幅にして、リビングと緩くつながるように。これは上野さんのアドリブだ
走りたくなる足触り
裸足が気持ちよい床はイタヤカエデのフローリング。カフェのようなブルーのハイドアもおしゃれ。あえて空けている壁の余白は、子どもたちの「happy birthday」のバルーンを飾るスペースだ
まだまだ物は増えるから・・・
7.2畳の小屋裏収納。食材や日用品のストックや衣類、これから増えていく子どもたちの物もたくさんしまえる
洗濯物はたたまずキレイ
インナーバルコニーやホールに干していた洗濯物は、手前のクローゼットにそのままイン。逐一たたむ必要がなく時短家事を叶えてくれる
取り出しやすさも考える
脱衣室の収納もすべて造作。手の届く部分は奥までスペースを無駄なく使い、一部届きづらいところのみ壁の一部をふかして取り出しやすいように工夫した
L字型の玄関
広く見える効果があり、実際に家族みんなでゆったりと使えるという。大容量のシューズクロークはベビーカーとぴったりの高さに棚板を設定。コートや帽子などお出かけに必要なアイテムもすっきりしまえる
飽きのこないデザイン
落ち着いた印象のトイレ。クロスを組み合わせて少しだけ遊び心を取り入れた
テレワークが捗る
いずれは子ども部屋として使う予定だが、現在はSさんのテレワーク部屋として利用。小さな窓から光が入りほどよくリフレッシュできる