自然がほどよく残る都内の住宅地で、こだわりの注文を叶えたIさん家族。それまでも戸建てにお住まいだったが、現在6歳になる愛犬の将来を考え、より安全、より快適に暮らせる新居を検討された。「以前の家は少し高いところにあって、玄関に入るまでに階段がありました。さらに2階リビングだったため、毎日結構な段数を上り下りしていました。このコはまだまだ元気ですが、老後を見据えて今からしっかり準備しておきたいと思ったんです」とのこと。家の中を見渡すと、たしかに“愛犬ファースト”のプランが満載。例えばリビングにつくった小上がりのタタミスペースは、いずれ愛犬が使うベッドを想定したもの。今は2階の寝室で眠っているが、将来的に1階フロアで生活を完結させることが可能だ。ほかにも階段から落ちないよう工夫されたオリジナルの壁手すりや、散歩から帰ってすぐに足を洗える玄関脇の手洗いなど、痒いところに手が届くプランばかり。また「結局、みんなこのコの周りに集まるので、各自の部屋は作っていません」とIさん。リビングでくつろぐ時も、寝室で眠るときも一緒なので、1人でこもるための個室は不要。並んで勉強や作業ができる大きな造作カウンター、全員の衣類をしまえるファミリークローゼット、3人+1匹で使える寝室など、みんなで空間をシェアすることで、延床面積23.3坪とは思えないほどゆったり、のびのび暮らせる住まいが実現した。
塗り壁で心地よい温度と湿度に
天井も含めてすべて塗り壁にしたLDKは、調湿効果で心地よい住空間に。小上がりのタタミスペースはたっぷりの床下収納を備えており、毎日使うペットシーツや布団をすっきりしまうことができる
住宅地に映える北欧デザイン
素朴でおしゃれな外観デザイン。ライトグレーの木調サイディングに白く縁取られた窓枠が映える。木製扉の横に貼ったタイルもポイントだ
配線類はすっきり隠す
テレビは壁掛けにしてすっきり。いずれフロート家具のテレビボードを追加できるよう、下地を入れている
ヘリンボーンで個性的に
グラフテクトのキッチンはたっぷりの収納力。引き出しの中にキッチン家電もすっきりしまうことができる。絶妙な色のアッシュベージュがインテリアのようだ
親子のワークスペース
2階ホールにはⅠさんとお子さん共用のスペース。大きな窓が心地よく仕事も勉強も捗りそう。カウンターや背面の書棚はすべて造作で、意外と場所を取るプリンターも足元の造作棚へ。デザイン梁には植物をハンギングすることができる
ピスタチオカラーで鮮やかに
トイレの扉はあえて取り払い、バスルームに直行できるように。病院用の大型シンクと木を組み合わせたオリジナルの洗面台は、朝の忙しい時間に2人並んで準備できるワイドサイズ
天窓から光を取り込む
じめじめ暗くなりがちな洗面室も、天窓の光でからっと爽やか。北側斜線とぶつからないよう、緻密に家の配置を調整したそうだ。おしゃれで機能的なタオルニッチは、取り入れて正解だったものの一つ
2WAYの玄関
広めの玄関は真ん中の壁で空間をゾーニング。左側は家族用のシューズインクローゼットや手洗いコーナー。正面はゲスト用のエントランス
別荘に入った時の、あの開放感
家に入った瞬間、心地よい開放感に包まれる住まい。リゾート地の別荘を思わせるダイナミックな吹き抜けは、お子さんのアイデアを採用した。淡いピンクの塗り壁は、SNSで見た海外の家から着想を得たそう
人と愛犬。共用の手(足)洗い
靴を脱ぐ前に手を洗うことができるコンパクトな洗面コーナー。散歩から帰った愛犬の足も、ここでサッと洗うことができる。2種類のタイルとペンダントライトの組み合わせが素敵
家じゅうの服は一か所にまとめる
寝室に併設したファミリークローゼットは、バイオレットのクロスで華やかに。家族みんなの衣類を一か所に集約できるので便利だ。正面の梯子はロフトにつながっていて、たまにしか使わない大きな布団をしまっている
甘すぎないピンク
みんなで眠る寝室は青みがかったピンクのクロスを採用。ここだけ天井を少し高くしてさりげなく開放感を演出
光を遮らない壁
愛犬の安全に配慮した壁手すりを使用。鉄骨とアクリルパネルを組み合わせて作ったオリジナルだ
階段下を有効活用
1階のトイレ。北欧風のナチュラルなクロスと、シックな木の色がほどよく調和。収納スペースもしっかり確保した