高校生の娘さんを筆頭に、思春期を迎えた子どもが3人いるTさん家族。それまで住んでいた家はスペースに限りがあり、真ん中の息子さんと末っ子の娘さんは同じ部屋を使っていたそうだ。兄妹仲はとても良いが、そろそろ自分の部屋が欲しい年頃。Tさんのテレワーク用の部屋も入れると、4つの個室がある新居が必要になった。「夫婦ともに一戸建てで生まれ育ったので、マンションは考えていませんでした。建売も候補に入れていましたが、4つの個室がある家は少なくて・・・ましてや子どもの学校が変わらないエリアで絞ると、選択肢は限られていました。他にもあれこれ要望はあったので、自然と注文住宅にシフトしていった感じですね」と夫人。完成した新居は念願の「1人1部屋」を実現。3部屋とも平等に5.3畳と少々コンパクトだが、自分だけの部屋ができてみんな満足そうだ。さらに3人の子育てを通して気づいた「全員がストレスなく暮らせるプラン」も採用。そのひとつが、お風呂の脱衣室と洗面室を扉で仕切って独立させることだ。「前の家は“脱衣&洗面室“だったので、誰かがお風呂に入っていると歯を磨くこともできませんでした。今ではその待ち時間もなくなり、入浴中の家族も急かされることがない。みんなが気持ちよく暮らしています。それにお客さんが手を洗うときに、脱衣室の細々した物や洗濯物が見えないのもいいですね」と話す。
機能×デザイン
新居のテーマカラーである<黒白グレー茶>の4色でまとめながら、屋根の軒を深めにする遊び心や、建ぺい率に配慮したアプローチ部分の屋根など、デザインと機能を両立させている
生活感をしまい込む
LDKは18.3畳を確保。実際以上に広く感じられるのは、大容量のリビング収納にあらゆるものをしまえて、すっきりとした空間を保っているからだ。美しい陰影を見せる間接照明や、梁をあえて見せるデザイン、広さと明るさが際立つ折り上げ天井もポイント
壁がなくても空間は仕切れる
たっぷりの光が取り込まれるLDK。ダイニングとリビングは、天井の梁でさりげなくゾーニングしている。キッチンカウンターに設けたニッチには、タブレット類を並べて収納
こんなコンセントが欲しかった
ダイニングテーブルでホットプレートを使う機会が多いため、カウンターキッチンの造作壁にコンセントを設置。床にコードがつかないので足が引っかかることもなく安全。パソコンで作業をする際にも便利だ
カフェ風キッチン
「前の家のキッチンは前後に吊戸棚があって、少し圧迫感がありました」と夫人。新居ではそれらをすべて排除し、開放的なオープンキッチンにしている。グレーのアクセントウォールに造作のウォールラックが映え、カフェのような雰囲気に
家族5人の食器もすっきり
インテリアに合わせて選んだクリナップのキッチン。家族5人分の食器や大きなホットプレートも、すっきりと収納できる。カウンターはちょうど手元が見えない高さに設定した
リビングに汚れを持ち込まない
右側の扉は独立した洗面室、脱衣室、バスルームに繋がっている。泥だらけで帰ってきても、左側のリビングを通らずバスルームに直行できるので便利だ。ちなみに脱衣室とリビングも繋がっており、全体が回遊動線になっている
汚れても、落ちやすければ、まぁ良し
造作のようなおしゃれな洗面台はTOTO製。少し広めのサイズで収納力も抜群だ。床は汚れが落ちやすいクッションフロアを選んだ
子どもたちの「好き」を活かす
息子さんの部屋は、爽やかなブルーのクロスがポイント。他の子ども部屋も各々が好きなクロスをあしらっている
トイレに遊びを(妻)
2階のトイレは夫人がコーディネート。2種類のブルー系のクロスを組み合わせて、床はヘリンボーン張りに
トイレに落ち着きを(夫)
1階のトイレはTさんがコーディネートを担当。黒、白、グレー、茶のテーマカラー4色で、落ち着いた雰囲気にまとめた