2026.03.11
「注文住宅の設計料って、いったいいくらかかるのだろう」
「ハウスメーカーと設計事務所で、なぜこんなに金額が違うの?」
設計料は依頼先や設計内容によって金額が大きく変わるため、相場を知らないまま進めると予算計画に不安を抱えたままの家づくりになりかねません。
そこで本記事では、注文住宅の設計料の相場を依頼先別にわかりやすく解説するとともに、設計料に含まれる業務内容、支払いのタイミング、そして後悔しないための依頼先の選び方までお伝えします。家づくりの資金計画を立てる第一歩として、ぜひ参考にしてください。
目次

注文住宅の設計料は、どこに設計を依頼するかによって金額の目安が大きく変わります。まずは代表的な依頼先ごとの相場を確認しておきましょう。
| 依頼先 | 設計料の目安 | 工事費3,000万円の場合 |
|---|---|---|
| ハウスメーカー・工務店 | 工事費の2〜5% | 約60〜150万円 |
| 設計事務所・建築家 | 工事費の10〜15% | 約300〜450万円 |
以下で、それぞれの仕組みと特徴を詳しく見ていきます。
ハウスメーカーや工務店に注文住宅を依頼した場合、設計料の相場は工事費の2〜5%が目安です。工事費3,000万円であれば、設計料はおよそ60〜150万円程度になります。
ハウスメーカーや工務店では、あらかじめ用意された設計パターンやプランをベースに間取りを組み立てるケースが多いのが特徴です。ゼロから設計する場合に比べて工数が少なく、プランを規格化することで効率的に設計ができるため、設計料を抑えやすい仕組みになっています。
ただし注意したいのは、見積書に「設計料」の項目が表示されないケースがあるという点です。
「設計料無料」と謳う会社でも、設計業務自体は必ず行われています。そのコストは工事費や諸経費の中に含まれていると考えるのが自然です。設計料の有無だけに注目するのではなく、総額で比較する視点を持つことが大切です。
設計事務所や建築家に依頼する場合、設計料の相場は工事費の10〜15%が一般的な目安です。工事費3,000万円であれば、およそ300〜450万円程度となります。
設計料が高くなる理由は、施主の要望をもとにゼロから設計を行うためです。敷地の形状や周辺環境を丁寧に読み取り、家族の暮らし方に合わせた間取りや動線、使用する素材までを一つひとつ検討しながらオリジナルの住まいをつくり上げていきます。
なお、設計事務所によっては工事費に対する割合ではなく、延べ床面積あたりの単価(1㎡あたり2.5〜4万円程度)で設計料を設定しているところもあります。依頼前に算出方法を確認しておくと、見積もりの内容が理解しやすくなるでしょう。
また、設計事務所に依頼する場合、施工は設計事務所と連携する工務店が担当するのが一般的です。大手ハウスメーカーよりも工事費を抑えられるケースもあるため、設計料だけでなく「設計料+工事費」の総額で比較することが重要です。

設計料は「図面を描く費用」と思われがちですが、実際にはもっと幅広い専門業務が含まれています。一方で、設計料の範囲外となる業務もあり、それらは別途費用が発生します。
契約前に何がどこまで含まれるかを把握しておくことが、想定外の出費を防ぐ基本です。
国土交通省の業務報酬基準では、設計料は「直接人件費」「直接経費」「間接経費」「特別経費」「技術料等経費」で構成されるとされています。一般的に、以下のような業務が設計料に含まれます。
このように設計料は、家づくりの計画段階から完成までを支える一連の専門業務への対価です。単なる図面作成費ではないことを知っておきましょう。
一方で、以下のような業務は「標準外業務」として、設計料とは別に追加費用が発生するのが一般的です。
どの業務が標準業務に含まれるかは、依頼先によって異なります。契約前に「どの業務まで設計料に含まれるか」「追加費用が発生する条件は何か」を必ず確認しましょう。

設計料は契約時に一括で支払うものではなく、設計の進行に合わせて分割で支払うのが一般的です。あらかじめ支払いの流れを把握しておくことで、資金計画を立てやすくなります。
設計事務所に依頼する場合、まず設計契約の締結時に設計料の一部を支払うのが一般的です。目安としては設計料全体の20%程度で、この支払いをもって設計が正式にスタートします。
なお、契約前の段階──たとえば初回の無料相談やラフプランの提案──では費用が発生しない会社も多く見られます。気になる設計事務所があれば、まずは相談の場で設計の進め方や費用感を確認してみるとよいでしょう。
設計事務所では、設計料を3〜5回程度に分けて支払うのが一般的です。代表的な支払いタイミングは以下の通りです。
割合は事務所によって異なりますが、上記のように段階的に支払うケースが一般的です。
設計料を住宅ローンに組み込めるかどうかも依頼先によって異なります。設計事務所の場合、建物完成前に設計料の支払いが発生するため、つなぎ融資を利用するケースもあります。資金計画の段階で、支払い方法もあわせて確認しておくと安心です。

先に紹介した相場はあくまで目安です。設計の条件によっては費用が上がることがあります。ここでは、設計料が高くなりやすい代表的なケースを紹介します。
規格化されたプランをベースにするのではなく、間取り・構造・素材のすべてをゼロから設計する「フルオーダー」の家づくりでは、設計料が高くなる傾向にあります。
家族の暮らし方やこだわりを丁寧にヒアリングし、何度も打ち合わせを重ねながらプランを練り上げていくため、打ち合わせの回数・図面作成の工数ともに増加します。
ただしその分、「朝の光が入るダイニングにしたい」「子どもの成長に合わせて間取りを変えたい」といった家族一人ひとりの想いを、きめ細かく設計に反映できるのがフルオーダーの特徴です。
敷地が狭い、形が不整形、旗竿地であるなど、土地に制約がある場合も設計料は高くなる傾向にあります。加えて、斜線制限や防火地域の指定といった法的な制約が厳しい土地では、設計上クリアすべき条件が増えるため難易度と工数が上がります。
こうした条件のある土地では、ハウスメーカーの規格プランでは対応しきれず、設計事務所に依頼するケースも少なくありません。小平市をはじめ住宅密集地では、隣地との距離や日照条件への配慮が求められることもあり、設計力が住まいの快適さを大きく左右します。

「設計料をもう少し安くできないか」と考える方もいるかもしれません。しかし、設計料は建築士の技術力・創造力・経験に対する正当な対価であり、安易な値引きにはなじみにくい性質の費用です。
国土交通省は、設計料(技術料等経費)を「設計等の業務において発揮される技術力、創造力等の対価として支払われる費用」と定義しています。価格競争による設計品質の低下を防ぐため、業務報酬基準が設けられていることからも、設計料は本来値引きの対象としにくい費用であることがわかります。
費用を抑えたい場合は、値引き交渉ではなく設計の優先順位を建築士と一緒に整理することが現実的です。
「ここだけは譲れない要望」と「状況に応じて見直せる部分」を丁寧に仕分けることで、予算の範囲内で最大限の満足を得られる設計に近づけることができます。こうした優先順位の整理を一緒に行ってくれるかどうかも、依頼先を選ぶうえで大切な判断材料です。

設計料が相場より極端に安い場合、一見お得に感じるかもしれません。しかしその裏には見落とせないリスクが潜んでいることがあります。安さだけで判断せず、設計料の中身を確認する姿勢が大切です。
設計料が安い場合、その中に含まれる監理業務の内容が十分でない可能性があります。
監理とは、工事が設計図面の通りに進められているかを現場で確認する業務です。監理の頻度が下がると、設計図と実際の施工にずれが生じても見落とされるリスクが高まります。
特に、完成後には確認しにくい構造部分や断熱材の施工などは、工事中にしかチェックできない重要な工程です。設計料の安さの背景に、監理体制の弱さがないかを確認しておく必要があります。
設計料を低く抑えている背景には、打ち合わせ回数を制限していたり、あらかじめ用意された規格プランへの当てはめを前提としているケースがあります。
この場合、施主の暮らしに根ざした希望を十分に設計へ反映することが難しくなります。
設計料の金額だけを見るのではなく、その金額の中でどこまで自分たちの想いを汲み取ってもらえるのか──打ち合わせの回数や内容、設計の自由度を確認することが重要です。

設計料の金額だけで依頼先を選ぶと、後悔につながることがあります。大切なのは、金額の裏にある「中身」を見て判断すること。ここでは、確認すべき3つの観点をお伝えします。
見積書を受け取ったら、まず設計料の内訳が明記されているかどうかを確認しましょう。
打ち合わせ・基本設計・実施設計・確認申請・工事監理など、どの業務がどこまで含まれているかを把握することで、他の依頼先との比較もしやすくなります。
なお、「設計料無料」の会社でも、前述の通り設計のコストは工事費に含まれていると考えられます。設計料の項目だけを比較するのではなく、総額の中で設計にどれだけの対価が支払われているかを確認する視点が大切です。
家づくりでは、最初の相談から設計、工事監理、引き渡しまで、長い期間をかけて進んでいきます。その過程で担当者が途中で変わると、最初に伝えた要望やニュアンスがうまく引き継がれないというリスクが生まれます。
「営業担当と設計士が別の人だった」「現場監督に細かな要望が伝わっていなかった」──こうした事態を防ぐためには、一人の建築士が設計から完成まで一貫して関わる体制かどうかを事前に確認しておくことが大切です。
同じ建築士が全工程に関わることで、家族の想いが設計にも施工にもぶれることなく反映されやすくなるでしょう。
ホームページや見学会で過去の施工事例を確認することも、依頼先選びに有効な方法です。
完成した住まいの写真や間取りだけでなく、「どんな要望からこの設計が生まれたのか」「なぜこの素材や構造を選んだのか」といった設計の背景にも注目してみましょう。その会社の設計に対する姿勢や考え方が見えてきます。
自分たちが理想とする暮らしのイメージと、設計事務所の設計の方向性が合っているかどうか──この「相性」を見極めることが、設計料に納得し安心して家づくりを任せるための大切な判断材料です。
注文住宅の設計料について、よく寄せられる疑問にお答えします。
資格の違いだけで設計料が決まるわけではありません。設計料は、設計の難易度・建物の規模・事務所の方針によって設定されるのが一般的です。
一級建築士は設計できる建物の規模に制限がない点で二級建築士と異なりますが、住宅の設計料に関しては資格そのものよりも、業務内容や設計体制を確認したうえで判断することが大切です。
一般的な目安として、ハウスメーカー・工務店では工事費の2〜5%、設計事務所では10〜15%とされています。工事費3,000万円の住宅であれば、ハウスメーカーで60〜150万円、設計事務所で300〜450万円程度です。
ただし設計内容や建物の規模によって前後するため、具体的な金額は個別に確認しましょう。
知名度の高い建築家に依頼した場合、設計料が工事費の15〜25%程度になることもあります。
ただし、設計料の高さだけが良い家づくりの条件ではありません。大切なのは、自分たちの要望を丁寧に聞き、暮らしに寄り添った設計をしてくれるかどうかです。
リフォームの設計料は、新築に比べると総額としては低い傾向にあります。
ただし、既存建物の調査が必要であったり構造上の制約の中で設計を進めるため、建物の規模に対しては割高になるケースも珍しくありません。リフォームの場合も業務範囲を事前に確認しておくと安心です。

注文住宅の設計料は、依頼先によって工事費の2〜15%と幅があります。しかし大切なのは金額の安さではなく、「その設計料が何の業務に対して支払われるのか」を理解することです。
設計料の中には、家族の要望を丁寧に聞き取る打ち合わせの時間、法令や構造を踏まえた専門的な検討、工事中の品質を守る監理業務など、住まいの安全と快適さを支える一連のプロセスが含まれています。
タインデザイン一級建築士事務所では、建築士が最初のご相談から設計・工事監理・お引き渡しまで一貫して関わる体制で家づくりを進めています。
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