建売住宅を購入し10年ほど住んでいたFさん夫婦。
利便性が良く家にもさほど不満はなかったが、
リモートワークで在宅時間が増え、少しずついろんなことが気になり始めた。
まずは日当たりの問題。旗竿地のせいか採光が難しく、
晴れの日でもその恩恵を十分には得られず・・・。自宅にこもって仕事をしていると、
心地よい光でリフレッシュしたくなる時間がやってくるのだろう。
行ったり来たりが多い動線もネックで、特に水まわりがイマイチだったと夫人。
「１階で洗濯が終わったら、３階の寝室まで持っていく間取り。
さすがに大変なので１階の客間を洗濯物の部屋にしていました」とのこと。
新居のカギとなる“日当たり”と“動線”。
その答えのひとつが光に満ちた開放的なLDKだ。
柱をなくし大きな窓を並べた南側からたっぷりの光を取り込み、
ダイナミックな吹き抜けで空間全体に広げる。
隅々まで心地よく、仕事が捗るのはもちろん友人とのホームパーティも盛り上がるだろう。
同様に動線の問題も解決。洗濯の後はランドリールームかその先のテラスへ。
最後はすぐそばのファミリークローゼットにしまう流れだ。
一連の動きに無駄がなく「家事に時間をかけたくない」という夫人の想いにも応えたプラン。
旧居の不満をすべて解消したストレスフリーの住まいが完成した。
隠して、魅せる
モダンなデザイン。この雰囲気を壊さないよう、配管やエアコンの室外機などは見えない場所に配置している
長期優良住宅の快適さ
バルコニー側から心地よい光と風が取り込まれる。これだけたくさんの窓があっても、長期優良住宅の性能のおかげで寒暖差が少なく快適に過ごせるそうだ。75インチのテレビはすっきりと壁掛けに。配線を内側に入れ込むため、壁を少しふかしている
空間のアクセント
テレビの背面は質感が豊かなグラビオエッジ。間接照明によって凹凸の立体感が際立ち、夜はとても幻想的な雰囲気に。Ｌ字に配置した天井のルーバーは、空間のアクセントとして建築士の三浦さんが提案した
床の間の花を考える楽しみ
いつまでも寛いでいたくなる小上がりのタタミスペース。隣接するLDKと馴染む和モダンテイストで、ほどよいこもり感がある
無機質がかっこいい
スタイリッシュなモールテックスを使ったキッチン。もちろんオーダーメイドで作ったもの。存在感が強い素材なので、重い印象にならないようにニッチで軽やかに
視覚のトリック
キッチンと床のつなぎ目は黒い巾木を使い、さらに少し凹ませる。そうするとキッチンが浮いているように見え、より洗練されてくるのだそう。黒いクロスをあしらった折下げ天井は、リビングの吹き抜けやキッチンの床材とのバランスを見ながらデザインした
デザイン＋機能を両立するニッチ
リビング扉の隣の天井いっぱいのニッチはFさんのアイデア。置くものに合わせて段ごとに奥行きを変えたり、リモコン用のストッパーを取り付けたり実用性に富んでいる
毎日の料理をストレスなく
クリナップのキッチンは、夫婦の身長に合わせてカウンターの高さを設定。夫人がオーダーしたスパイスニッチがとにかく便利だそう。耐久性の高いセラミックカウンターはその上で包丁を使ったり、熱い鍋を直接置いても問題ない
本物のホテルですか？
夫婦の寝室。モルタルのような雰囲気のクロスに、シンメトリーの間接照明がおしゃれ。こちらもニッチでアクセントを加えた
取り出しやすく、しまいやすく
夫婦のワードローブがすっきり収まる大型のファミリークローゼット。服の丈にあわせたハンガーパイプや、バッグや帽子をディスプレイできる棚など、隅々まで気が利いている
白を際立てる
FIX窓から取り込まれた光が空間に反射し、実際よりも広く感じられる玄関。扉で隠せるシューズクロークは天井までの大容量サイズ
朝の待ち時間をなくす
夫婦で一緒に使えるワイドな洗面台。夫人がメイク道具を広げても十分余裕がある。朝の忙しい時間をストレスフリーに
広々ランドリー
洗濯機のあるランドリールームは室内干し用のバーを設けて、雨の日でも安心。アイロンをかけたりちょっとした作業をするカウンターはオリジナルで製作。その下には収納ボックスがぴったりと収まっている
計算され尽くした洗濯動線
洗面室とその奥にランドリールーム。さらに扉の向こうは洗濯物を干せるテラスに繋がっていて、動線の無駄がいっさいない
マルチテラス
テラスは寝室とも行き来できるので、気が向いたとき気軽に布団を干せるのが良い。お風呂から上がって夕涼みをしたり、Ｆさんが釣り道具の手入れをしたり、何かと使える場所だ
ゲストが多い家だから
来客も使用する２階のトイレは、飲食店のような広めの手洗いを設置。簡単なメイク直しならここで十分だ
収納だけじゃもったいない
室内と外の２方向から光が取り込まれる小屋裏収納。使い方はこれから考える予定
パントリーさえも整然と
コの字型いっぱいにストックできるパントリー。既製品のボックスを上手に組み合わせて、スペースを無駄なく活用している
アウトドアリビング
LDKと繋がるバルコニー。マットを敷いて食事をしたり晩酌をしたり、贅沢なアウトドアリビングとして使える。周囲の視線が気にならないように壁の高さも調整した
