建築実例

家族のアートで完成する家

夫婦ともにアート関連の仕事に携わるSさん家族。

住まいづくりで大切にしたのは、日々生み出す作品や子どもの工作を、

暮らしのすぐそばに感じられる環境づくりだ。

 

目指したのは「共同アトリエ」のように使える空間。

2階LDKのメイン壁面にはピクチャーレールを仕込み、夫婦の作品や家族の写真、

日々の思い出を自在に架け替えられるギャラリーに仕立てた。

さらに玄関壁にはチョークでお絵描きの楽しめるクロスを採用。

「いつか家族全員でひとつの作品を描きたい」という、未来の楽しみも込められている。

 

暮らしの主役となる2階LDKは、ロフトを併設し高天井の伸びやかな空間を実現。

高い位置に設けた窓(ハイサイドライト)から届くやわらかな光が室内を満たし、

昼間は照明が要らないほど明るい。

また、在宅作業が多い夫人のためのワークスペースは、光が安定する北側に配置。

延床わずか18坪というコンパクトな空間ながら、それぞれの居場所が無理なく収まっている。

 

見た目の良さだけでなく、高い断熱性能がもたらす住み心地も魅力のひとつ。

「以前より広くなったのに電気代が安くなった」と、

暮らし始めてからの嬉しい驚きもあったという。

 

最初から完璧につくり込むのではなく、日々の中で作品や思い出を少しずつ重ねていく。

夫婦の新しい創作や子どもの成長とともに、この家の表情は変化していくのだろう。

家族自らが手を入れて彩りを加えていく、そのプロセスそのものを楽しむ住まいだ。

家族構成 夫婦+子ども2人
所在地 東京都三鷹市
本体価格 2,000万円~2,499万円
敷地面積 74.75m2 (22.6坪)
延床面積 59.70m2 (18.0坪)
竣工年月 2025年8月
閉じて、広がるリビング
敷地面積22.6坪を感じさせない広さ。日当たりを最優先して2階に配したLDKは、上部のロフトと一体化することで、吹き抜けのような高天井を実現。都市部の住宅街でありながら、周囲の視線を気にせず、たっぷりの光を享受できる
グレー+グレーが最適解
外観はトーンの異なるグレーのサイディングを2種類貼り分け、立体感と洗練された個性を演出。「白や黒とも迷いました」というSさんだが、建築士が作成した3Dパースのおかげで完成イメージをクリアに共有できたという
生活感をしまう
黒いテレビと白い壁のコントラストを和らげるため、壁面には絶妙なグレーのクロスを選択。テレビ機器の配線を壁の中に隠し、生活感も払拭した。階段周りは接触に強く耐久性の高いクロスの採用。子どもの安全のために階段の段数を増やすなど、さまざまな配慮がなされている
煮込んでる間に、もうひと仕事
キッチンのすぐ脇にワークスペースを配置することで、家事と仕事の切り替えが驚くほどスムーズ。パソコンに向かいながら鍋の様子を見たり、休憩がてら洗い物を片付けたりと、生活の動線に無駄がない
お気に入りはここにも
キッチンカウンターの腰壁に設けた小さなニッチ。お気に入りの雑誌やアートブックをディスプレイすれば、ちょっとした立ち寄りスポットに変化する。視線を集めるアイキャッチとして、シンプルな壁に温かみと遊び心を添えている
はたらく、あそぶ、暮らす。
「共同アトリエ」をイメージしたLDKには、それぞれの居場所を設けた。在宅でデザイン仕事に集中する夫人のためのワークスペースは、あえて光が安定する北側に配置。終日まぶしさを抑えたやわらかな光が届き、作業のしやすさと家族との繋がりを両立させている
帰宅、手洗い習慣が自然に
1階廊下に独立して配置された洗面台は、帰宅後すぐに手が洗える優れもの。限られた面積を極限まで有効活用するアイデアだ。将来の子ども部屋には、子ども自身が選んだ明るいイエローのクロスを採用。さまざまな色を楽しむ住まいだ
大人の収納、子どもの秘密基地
単なる荷物置き場にするにはもったいない、十分な広さを備えたロフト空間。現在は子どもたちの最高の格好の遊び場兼「秘密基地」として大活躍中だ。リビングと程よく空間が繋がっているため、階下にいる親も安心。将来のライフスタイルの変化に合わせて、柔軟に使い方を変えられる余白でもある
おかえり、今日のキャンバスへ
玄関を開けると目に飛び込むのは、落ち着いたグリーンの黒板クロス。チョークで自由に落書きができ、家族の伝言板やアートボードとして活躍する。奥には3.9帖の納戸を配置。構造上必要なスペースを活かして大容量の本棚を作り込み、大量の書籍をスマートに収めている
いちばん小さな、癒やしの部屋
柔らかなグリッド柄のアクセントクロスと、ぬくもりある木目調の天井が調和した北欧風のトイレ。小窓から入る自然光が室内を明るく照らし、換気のしやすさも抜群だ。狭い空間だからこそ、天井や壁の素材選びにこだわることで、居心地の良いプライベートな空間に仕上がっている
今月の展示は誰にする?
リビングの壁の一面はあえて窓を設けず、ギャラリーとして使えるように。ピクチャーレールを天井に設置し、スポットライトで照らすことでご夫婦の作品やお子さんの写真、工作などを美術館のようにディスプレイして楽しんでいる
控えめなこだわりが、上質をつくる
存在感を抑えたスリムな巾木や、無垢の質感を存分に味わえる挽板フローリング。こうした細部へのこだわりが、空間全体のクオリティを底上げしている。これらハイグレードな建材が「標準仕様」で選べるのも大きな魅力

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