以前のお住まいは1LDK。広さは十分だったが
家族が風邪をひいた時など“間取り”が足りないと感じていたそうだ。
中古マンションや建売住宅を検討するも、不要な設備に無駄なスペースと、
なかなか納得できる物件には出会えず。
そんなとき現在の土地と出会い、注文住宅にシフトチェンジした。
家づくりの中心は、細部までとことんこだわる夫人。
旧居での経験から「欲しい物を、欲しい場所に」置ける家が夢だったという。
収納計画は驚くほど細やかで、「何をしまうか」はもちろん、
「棚の何段目に何を置くか」までをイメージ。
ミリ単位でサイズを考え、理想の形を追求していった。
「トイレ、洗面、脱衣室、お風呂と一直線の動線が本当に素晴らしい!」と
夫人が絶賛する水まわりは、建築士の赤秀さんのアイデア。
2階フロアにLDKと水まわりを集約することで、
食事の支度をしながら洗濯機を回したり、ながら家事がスムーズ。
無駄な動きが全くない“神動線”によって生まれる時間のゆとりが
家族とのコミュニケーションを増やし、ご機嫌な日々をもたらす。
そんな夫人の想いをそっと支えたのはご主人。
「妻は打合せのたびに『こんなことできますか?』と、
建築士の赤秀さんに無限にオーダーしていました」と楽しそうに振り返る。
夫婦の熱意と、それを形にするプロの技術。
最高のチームで作り上げた、フルオーダーの住まいである。
階段をアートにする
手すりのライン一本にまでこだわった、特注のスケルトン階段。キッチンから見えるこの風景が、空間の美しいアクセントになっている。建築士の赤秀さんも「この眺めがいいんです」と太鼓判を押す
開放感という名のインテリア
勾配天井の窓とバルコニーから明るい光がたっぷりと差し込むリビング。縦に広がる吹き抜けの効果も相まって、どこまでも開放的。家族が自然と集まる居心地のいい空間が生まれた
ミリ単位で動きやすさを探る
ダイニングは夫人が料理写真を撮影するための専用スタジオ。撮影しやすいよう動き回れるスペースを確保しつつ、キッチン側が窮屈にならないよう、建築士の赤秀さんとミリ単位で調整を重ねた
美しさと機能性と
夫人が一目惚れしたYAJIMA製のステンレスキッチン。プロの厨房のような美しい光沢と、広々としたフルフラットの作業台が、日々の料理のパフォーマンスを最大限に引き出してくれる。デザインと機能性を、最高レベルで両立させた逸品だ
この世に一つだけのグレー
きめ細かな質感が魅力の塗り壁の外観。ニュアンスのあるグレーは、この家のためにいちから調合したオリジナルカラーだ。主張しすぎず、それでいて確かな個性を放ちながら、周囲の景色にもすっと溶け込んでいる
グレーの床が名脇役
モノトーンで統一したスタイリッシュなキッチン。グレーのフロアタイルが、空間全体に落ち着きと統一感を与えている。収納は奥の物も取り出しやすい引き出しタイプを採用。通路も広く確保し、夫婦二人で立ってもスムーズに作業できる
干さないバルコニー
バルコニーは家族がピクニックを楽しむアウトドアリビング。「洗濯は室内で完結するので、標準仕様だった物干しポールを、無くしてもらえたのが嬉しかったですね」と夫人
ただの物置じゃ、もったいない
天井高140cmの小屋裏収納。ただの物置にするのはもったいないと、お子さんたちのための特別な遊び場としても活用中だ。秘密基地のような“おこもり感”が、子どもたちの冒険心をくすぐる
玄関のなんでもポケット
靴はもちろんレインコートや防災グッズまでしまえる、広々としたシューズインクローゼット。棚はすべて収納ボックスがシンデレラフィットするよう自由に動かせる可動式。急な来客時には、ロールスクリーンを下ろせばあっという間にすっきりとした空間に
造作だからできること
タイルにカウンター材、棚板と、ご主人が一つひとつ厳選した素材を組み合わせた、オリジナルの洗面台。あえてコンパクトに設計することで、独立した洗面室を実現した。自分たちの暮らしに合わせて、サイズやデザインを自由に調整できるのは、造作ならではの魅力
飾る収納、隠す収納
居住空間とデザインのトーンを合わせたトイレ。飾り棚と、アクセントウォールの奥に設けた隠す収納。2種類の収納を使い分けることで、空間の美しさと暮らしやすさを両立。トイレットペーパーのストックもすっきりと収まる
暮らしの新習慣
玄関を入ってすぐの場所に、コンパクトな手洗いスペースを設置。「ただいま」のあと、リビングに入る前に自然と手を洗う習慣が身につく